9.悲しさ癒えず,もがき苦しむ(2015年7月1日~9月30日)
 
 妻が亡くなり3ケ月が経過しましたが,悲しさが殆ど癒えません。体調によったり,テレビを観ていると急に妻を思い出し精神的に落ち込んでしまい,精神安定剤を手放すことができません。寂しくて,悲しくて家内の遺品整理を行うことが出来なくなりました。
朝に咲く命短し酔妃蓮その侘しさは妻に似たりや 7月3日
大輪の花を開きし蓮の花妻は浄土で一蓮托生 7月3日
常々に妻より先にわれ死ぬと言っていたのに先を越されて 7月4日
来年の今頃いかにしてるやら明日の自分が判らないまま 7月4日
眠るのが怖くてならず眠れない 妻の病が発覚以来 7月5日
やせ細り血の気の引いた妻の顔思い出させる旅番組で 7月5日
わが妻と分け合いともに食べていたアナゴの寿司は量多すぎし 7月6日
七夕に二つの星は出逢えども二度と出逢えじ我妻恋し 7月7日
子が欲しく子授け札に夫婦の名書いていたのを妻逝きて知り 7月8日
妻逝きて生活設計やり直し あと何年ぞ一人暮らしか 7月10日
亡き妻の日記に吾の記載あり始めて知りし妻の思いを 7月12日
亡き妻の古い日記を読み返し続き未だかと待ち望みたり 7月12日
亡き妻の残り香のある四畳半死を受け入れず開けずの部屋に 7月12日
懐メロで妻の想い出よみがえり歌詞につまされ悲しさ増して 7月13日
痩せ細りやつれたわが身案じるは長き付き合う親友なりや 7月14日
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻といたしむ・・・石川啄木 7月14日
外見に同情されて気遣わる吾が精神は50代なり 7月15日
独居にて話す相手も居ないわれ遺影に向かい大声を出し 7月16日
飲めぬのに君のためにと買うビール遺影の妻も飲むことできず 7月16日
夢の中元気な妻と再会し目覚めて我は現実を知り 7月20日
悲しくて悲しみ抜いて苦しくて気持ち癒せず時過ぐる待つ 7月20日
ブランドの品を並べて亡き妻の土産だったとまた欲しくなり 7月22日
気晴らしに何かせねばと吹奏楽聴きに出かけて気力もらいぬ 7月23日
在りし日の妻を想いて短歌詠み切なさ湧いて涙がにじむ 7月24日
亡き妻に誕生カード届きたり その文面に憎さを覚え 7月26日
寒風に耐えて通いし病院に妻を忍んで蝉しぐれふり 7月28日
義弟きて逝きし家内の思い出を語りし今日は四月(しつき)命日 7月31日
寂しさが更に募りし月命日暑さにも負け外出できず 7月31日
居間にいる遺影の妻に「暑ないか」聞きたくなりし暑い夏なり 7月31日
空蝉の命に似たり我妻の在りし日想う月命日に 7月31日
初盆にお供えするよ故郷の思いで多き赤いほおずき 8月1日
3ページ読んではもとに戻り読む古希の手習い短歌入門 8月2日
「いま何処に居てるのん」と問いたるも遺影の妻は返事が出来ず 8月4日
故郷の訛り言葉の慰めに想い出したり家内と故郷(さと) 8月5日
遺影にて居間で微笑む吾妻の初盆飾る赤いほおずき 8月7日
亡き妻の生きし証を故郷の墓地に残すと霊標刻む 8月9日
霊標に刻みられにし妻の歳六+六はいと若すぎて 8月9日
楽しさに悲しさ勝る吾妻の想い出語る初盆空し 8月11日
四ケ月過ぎにし今も忘れえじ脳裏に残る妻の笑顔が 8月11日
エアコンの嫌いな妻の居ぬ部屋はあつい思いを閉じ込めておく 8月11日
たくさんの訪問客に笑み浮かべ遺影の妻が初盆迎え 8月11日
一人旅寂しいのならこの吾を迎えに来てよ一緒に居たい 8月12日
送り盆まだ帰るなと願いたり遺影の妻に寂しいからと 8月15日
まじまじと何度もみつめ語りたる遺影の妻にまた惚れ直し 8月16日
こんなにも寂しきものと知らざりし楽しい家は妻ありてこそ 8月18日
気力なく根気も無くて何もせずそれでも明日は勝手に来つる 8月19日
亡き妻の短歌を詠めば辛くなり悲しさ募り眠れぬ夜に 8月20日
誕生日忘れていたと妻に言う この世に居たなら忘れはせじに 8月21日
亡き妻の誕生日のみ過ぎ去りし 日を忘れしも忘れえぬ妻 8月21日
記憶から消えし家内の誕生日 去年のその日妻祝いしを 8月21日
逝きし日が誕生日より記憶さる生まれしことで没があるのに 8月21日
ケーキ買い遺影の妻に供えして祝いむなしや「ハッピーバースディ」 8月21日
早朝に闘病の妻苦しむを思い出しのち寝付けぬ日々が 8月22日
突然に遺影の妻に話する「どうして癌に?」夢ならいいと 8月24日
手を握り黄泉に旅立つ妻おくる別れの記憶想い出したり 8月28日
ことにつけ脳裏に浮かぶ家内との40年は長かったから 8月28日
夏過ぎて一人暮らしの切なさに妻を想いてサンマ焼く秋 8月30日
「もう」なのか「まだ」と言うのか5ケ月が過ぎにし今も夢ならいいと 8月31日
出来るだけ一人生活できるよう老いた今なおプール通いて 8月31日
泣き言を聞いてくれにしわが妻は泣き言わぬ強き妻なりき 8月31日
妻の分長生きしてと他人(ひと)の言う生きる目的あらざりしのに 8月31日
段々と日に日に日暮れ早くなり妻との惜別思い出させし 8月31日
節約も家内ありての,ことぞこそ先短くも吾ため使う 9月2日
仕事だとかまけて妻に家事全般押し付けすぎたと反省すれど 9月2日
妻逝きて不具合多し我が家見て手直しすればと気付くも遅し 9月2日
妻逝きて勿体ないと言う感情薄れて今日も買い物多し 9月2日
焼肉を見ため真似して作れども味付け含めて妻にかなわず 9月3日
ガスコンロ交換済んだと報告す遺影の妻は歓びたるか 9月4日
ガスコンロ8年保証勧めるがそれまで我が身保障ありきか 9月4日
”どうしょう”とつぜん不安襲いくる妻の逝きのち幾たびなりや 9月5日
旬サンマ大根おろしに生生姜おろして添えるは妻のまねなり 9月5日
夕食の準備するにも気力いり今夜も食べるレトルトカレー 9月6日
在りし日の妻の面影かんじさす隣の席の女性に惹かれ 9月7日
その内に返事するかと話する遺影の妻は微笑みてのみ 9月7日
生前と同じ口調で話しする遺影の妻に涙声にて 9月7日
慣れるより,それより先にあき(秋,飽き)がきて独居生活寂しいものだ 9月7日
故郷の想い出多き茶粥炊き”いの一番”に妻に供えし 9月9日
友よりの友情詰めた宅配便届いたブドウ甘さ増したり 9月9日
未来へと国勢調査届きたり明日も判らじ孤独の我が家に 9月10日
君の名を書き込みたいと思えども国勢調査同居人(ひと)のみ 9月10日
妻の名を書くことできず悔やみたり半年遅れの国勢調査 9月10日
 配偶者選択ししは”死別”なり”離別”のほうが心安らぐ 9月10日
こんなにも弱き自分と知らざりし妻逝きてのち人にすがりて 9月13日
病弱の亭主安じていた妻が吾より先に永久の旅立ち 9月13日
亡き妻の記録消さじと充電す妻の携帯身近において 9月13日
主なき妻の携帯待ち受けはやせ細りしも笑顔の家内 9月13日
ひとり身の夕餉の準備侘しくも亡き妻真似て鮭を焼いたり 9月14日
出逢いせしなつかしの妻夢の中病もなくて明るく語る 9月15日
忘れたく忘れるためにいかにせん妻の笑顔を除いた記憶 9月15日
亡き妻が好きで通った百貨店季節かわりて一人買い物 9月16日
店員が「歳をめされば,これぐらい」勧めしシャツは吾に派手すぎ 9月16日
妻逝きてやつれし吾を飾るため少し派手目のシャツを選べり 9月16日
体調が悪く老いさき嫌になる妻亡くなりて拍車がかかり 9月17日
古希向え敬老の日を祝いしは自治会のみで一人さみしく 9月18日
夜が更けて洗濯物を干している自分の姿情けなくなり 9月19日
亡き妻と共に使いし毛ふとんをシングルサイズに仕立て直しを 9月19日
店員の笑顔に惹かれてジャケットを購入せしは妻逝きたから 9月21日
自らの人生をいまふり返り楽し思いは妻との暮らし 9月22日
日になんど遺影の妻を見つめては未だ悲しく目頭潤み 9月23日
生きしとき満点妻じゃなかりしが逝きにし今は理想の妻に 9月23日
お彼岸に咲き誇りたる夕日花その赤色が残酷すぎる 9月23日
愛おしき妻が座りし席を避け座る病院待合室で 9月24日
亡き妻の最後の姿思い出す秋雨の道心も濡らし 9月24日
闘病の妻が求めしケーキ屋のフルーツケーキ買いて供える 9月24日
「さあ食べて」ケーキ供えてコーヒ入れ食べれぬ妻に語るもあわれ 9月24日
わが妻と同じ病で亡くなりし女優ならこそ みなに惜しまれ 9月25日
品疎なる夕餉のおかず妻に見せ「作って欲しい」と泣き言をいい 9月26日
気晴らしに飲めるものなら飲みたいと 飲めぬ自分に妻の気わからず 9月26日
妻に詠む短歌のことば浮かばずに秋の夜長を一人で過ごす 9月26日
秋の夜に亡き妻想い短歌詠み詩才なき吾ダンテを羨む 9月26日
家内との別れ綴ったわが日記読み返しては悲しさ戻し 9月27日
夕暮れにスーパーにいる老人の男性(おとこ)の姿なぜか侘しや 9月29日
家に居る妻より買い物頼まれし使いの夫だと思われたくて 9月29日
妻逝きて半年過ぎて吾に言う あの時はよく「頑張ったね」と 9月30日
独居でもハイスピードで秋が来てさみしさ消えぬ半年が過ぐ 9月30日
半年間毎日吾を見守りし遺影の妻のまなざし変わらず 9月30日
半年は半回忌だとひとり言い亡き妻偲び祈りを捧ぐ 9月30日
桜花より先に散りにし我妻に紅葉見つけ秋来ぬと言う 9月30日
我が家から家内の遺品消えいくが半年間で苦悩は消えず 9月30日

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