8.四十九日が終わっても(2015年5月18日~6月30日)
 
 四十九日が終わりりましたが,益々寂しさが募ります。そして,とうとう古希を迎え行く末の不安が増しました。
忌が開けて妻が仏になりてのち安堵感から寂しさ増せり 5月18日
素晴らしい笑顔あふれたあの時代思い出すほど悲しさ募る 5月18日
好きなだけ己のが人生謳歌して何故に急いで黄泉に旅立つ 5月18日
慰めの言葉は今も効果なし亡き妻偲び立ち直り不可 5月18日
今日も又夕餉の支度迷いつつ生きるためにと納得させて 5月19日
満中陰過ぎにし日から寂しくて妻の衣類の整理が出来ず 5月20日
娘の死理解できずに「あれは誰」遺影をながむ認知症の義母(はは) 5月21日
亡き妻の携帯メール読み返し切なくなりて胸迫り来る 5月22日
亡き妻の笑顔の写真眺めては「帰って来い」とつと涙ぐむ 5月22日
独り身で喋ることなき日が続き遺影の妻に語りたるのみ 5月23日
寂しくて相手かまわず電話して心の辛さ少し和らげ 5月23日
妻逝きて人の弱さを知りしのち優しくなった自分に気付く 5月24日
妻逝きて精神狂い失敗が続きし吾は初老人なり 5月25日
亡き妻の思い出溢る我が家なりその物まねで今暮らし行く 5月25日
古稀近く残されし吾孤独沼もがき苦しみ耐えて生けるか 5月26日
お互いに名前で呼べず40年照れ屋夫婦に永久の別れが 5月26日
亡き妻と体型似たる女(ひと)に逢い思わず顔見”こんなんちがう” 5月26日
若き日の妻の洋服見つけては楽しき思い出目頭熱くす 5月27日
もう一度生きし家内と出逢わせて「世話になった」と言いたいからに 5月28日
家内との思いで巡る40年寝付けぬ夜に枕を濡らす 5月29日
今は亡き妻の笑顔が残ってる居間の片隅私を見つめて 5月31日
淋しくて遺影の妻に愚痴言えど黙って微笑を返すのみなり 5月31日
理不尽に愛する妻を奪いたる癌を恨みて悔やみ悲しみ 6月1日
知らんくせ見せかけだけの同情は涙求める偽善者なるや 6月1日
世の中に妻より優しき人はなし その思い出と余生を暮す 6月2日
亡き妻に食事のメニュー頼ってた食事制限厳しき吾は 6月3日
我儘で亭主関白地でいった吾を支えた妻が恋しや 6月3日
妻逝きて生きる目標無くしたり気力喪失虚無感ばかり 6月4日
何事も行動するが面倒なこんな生活いつまで続く 6月4日
臨終に立ち会えたのが良かったか立ち会わざれば悲しみ少なし 6月7日
夢の中元気な妻と再会し目覚めて我は現実を知る 6月8日
家内より歳が上なる婆さんの会話を聞いて”順番違う” 6月8日
あっけなく3ケ月で逝った妻ひ弱き人の死は判らじや 6月9日
妻逝きて評価する人失えり趣味の写真も妻ありてこそ              6月9日
亡き妻の思い出いっぱい詰まってる心の引き出しいつ整理する 6月10日
祈願書に妻の性格現れし”少しお金も 欲しいかな”と記 6月10日
亡き妻の文字が残りし祈願書は強い性格現しており 6月10日
不機嫌がすぐに態度にでる吾を「イラチなんや」と妻は批判す 6月12日
己が死を知りし従姉妹は書を残し余命知らない妻ゴミ残す 6月12日
我が家にて一人ぼっちの私には話し相手は遺影の妻や 6月13日
家内との当たり前での生活が出来なくなりて知るありがたさ 6月14日
刹那での楽しき時間過ぎ去ればその反動で寂しさ増せり 6月16日
夕暮れにひとり散歩す遊歩道 妻を偲びて短歌を詠みて 6月18日
忘却は忘れることと思いしが忘れ得じ妻永久に忘れじ 6月18日
寂しくて電話を掛けし親友は吾より強く弱さを恥じる 6月19日
世の中の不幸を一人しょうごとく自分自身を悲劇の主に 6月19日
夏至の日の音楽祭に出かけたる区民ホールで妻を偲びし 6月21日
亡き妻と共に出かけし月曜日今は一人でスポーツジムに 6月22日
妻病みてわが体重が激減し未だ戻らじは夕餉のせいか 6月22日
技術屋の吾には苦手相続の手続き無駄に難しすぎる 6月23日
亡き妻の集めし食器多すぎて一人暮らしに捨てるしかなし 6月24日
「ただいま」と言って自宅に帰っても遺影の妻が黙して笑みを 6月25日
3ケ月過ぎたぞ気持ち切り替えろ思えど空し忘れ得ぬ妻 6月25日
わが妻の財布に残る診察券在りし日想い鋏できざむ 6月25日
わが妻が多く集めし神社での身代わり札は妻を守れず 6月25日
妻逝きて命あずける人も無きあと幾年ぞ生き長らえる 6月26日
妻想い悲しさ癒えぬ吾が心立ち直れるはいつの日なりや 6月26日
今になりわが人生を振り返り何もできない己を知りし 6月26日
慰めの言葉も今の私には素直に聞けずひとり苦しむ 6月26日
不慣れなる日用品の買い物は吾が生活に変化を与え 6月27日
何ごともトリガーとなり妻の事思い出させしまだ3ケ月 6月29日
暗くなり我が家に灯りなきことが妻の他界を吾に知らしむ 6月30日
還暦を祝ってくれし妻は逝き古希を迎えて不安が募る 6月30日
わが妻の花嫁写真眺めては40年の歴史を偲び 6月30日

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